音楽とひとり

ひとりではじめるミュージックハック。

ライブハウスとご飯|ファンダンゴと十三ゴールデントライアングル(大阪)

こんにちは、B子です。

  

ライブハウス「十三ファンダンゴ

 

[ベアーズ]で検索してヒットする家事代行のベアーズがミナミのライブハウスではないのと同様に、[ファンダンゴ]で検索に引っかかったよしもとファンダンゴと、十三ファンダンゴは当然ながら別物だ。

 

(と思って今ファンダンゴを検索したら、十三ファンダンゴばかりがヒットしたので、あれ?となった。以前は違ったと思うんだけど。)

 

十三ファンダンゴ

 

2019年7月、大阪・十三にある大好きなライブハウスがこの地での営業を終えました。

 

 

十三ファンダンゴへの行き方(※もはや需要がない)

 

阪急・十三駅

神戸線京都線の乗り換え駅でもある、特急停車駅。

西側の改札を出ると、途端に賑やかな駅前空間が出現する。

 

 

行きかう老若男女

銀行の前にごちゃごちゃと並んだ放置自転車

和菓子屋の前に列をなす人々

放置自転車を蹴るおじさん

股間を掻くおじさん・・・

 

 

駅前の短いアーケードを抜けた後、スクランブル交差点を渡れば、露出度が高めのお姉さまの看板が妖しげな光を放つ、ちょうどいい感じに猥雑な歓楽街に出る。

 

人気店「ねぎ焼やまもと

第七藝術劇場とシアターセブンの入ったビル

風俗店

ラーメン店

キャバクラ

すし屋

風俗店・・・

 

それらを横目に直進してしばらく歩いたころ、某国民的アニメの肖像がすがすがしいほどに堂々と無断使用された「名案内コナン」という夜のお店の無料案内所の看板が見えてくる。

 

(というのは以前の話で、さすがに摘発されたらしく、看板はいつの間にか姿を消した。)

 

とにかくまあ、その「名案内コナン」が見えてきたあたりで、左側の路地に入る。

 

 

ホストクラブの前

キャバレーの裏手

 

 

そこに、十三ファンダンゴはある。

いや、あったのだった。

 

 

サラリーマンにやさしいライブハウス

 

「あれでしょ?ファンダンゴって。昔ウルフルズが出ていたっていう・・・」

 

私がファンダンゴによく行くようになったのはここ10年くらいの話で、当然ながらウルフルズなんて完全にメジャーな存在だから、私の知っているのは、ファンダンゴの辿った歴史の、ほんの最近の数ページ分だけだ。

 

だけど、なんだろう・・・

私の好きな音楽は、だいたい十三ファンダンゴにしっくりくる。

 

 

十三ファンダンゴの奥はステージと反対側に細長く伸びていて、そこには椅子のついたバーカンがある。

 

大阪に越したばかり、新米社会人でフレッシュマンな私は、十三ファンダンゴに出会った。

 

スーツやパンプス姿で、もみくちゃにならずに避難できる場所があるファンダンゴは、実はサラリーマンにやさしいハコでもあった。

 

(混んでくると奥からステージが見えないけど。ここでもやはり柱問題。)

 

だからなのか、どうしてなのか、ファンダンゴにくるとお酒をたくさん飲んでしまう。

 

カウンターの奥の壁には映画「タクシードライバー」のポスターが貼ってあって、もちろんひとりぼっちの私は、トラヴィスと見つめあいながら、ジントニックを流し込む。

 

 

 

「いつもお酒が飲めるのは、GASOLINEさんのおかげです!」

 

・・・ファンダンゴに似合うGASOLINEさま(四日市バンドなのに)。

 

 

 

ボタヤマオリンピックもそうだけど、トモフのラブジューソーとか、セッチューフリーとか楽しいライブをたくさん観たよ。

時期は梅田シャングリラと十三ファンダンゴにばっかり行っていた時期があるくらい。

 

そうだ、エンケンさんもはじめてここで観た。

 

 

ここ最近ずっといけていなくって、最後に観たのは3月のVOTTONESのヘドロさん脱退ライブだった。

 

彩られたドアも、楽屋からステージに向かう途中の階段に座って、にやにやと別の出演者のライブを見ているバンドマンも、混雑している日はなかなかたどり着けないステージ横のトイレも、全てが急に懐かしい。

 

 

十三ゴールデントライアングル

 

ファンダンゴを出て駅へと帰る途中、駅前交差点にかかった横断歩道。

大通りを挟んで、松屋すき家吉野家が並ぶ。

 

御三家そろい踏みだ。

 

牛丼を愛してやまない私にとって、そこはゴールデントライアングルだった。

 

 

ほろ酔いの帰り道に用意された、至れり尽くせりの選択肢。

王道牛丼からチーズ牛丼、ビビン丼まで選びたい放題。

 

最高か。

 

十三の夜はアツいのだ。

 

 

ちなみに、ゴールデンの一角を成していた松屋はビビン丼という最強メニューを終売して間もなく、松乃家に業態変更してしまった。牛丼好きとしては残念。

 

 

十三ロックンロール

 

それは、私がまだ阪急京都線で通勤していたある朝のことだった。

 

終点梅田間際、十三駅のすぐ隣に、もくもくと、それはもう尋常じゃない量の煙が立ちのぼるのが見えて、半分眠っていた脳みそが一気に覚醒した。

 

電車、隣を走って大丈夫なの?と感じたくらいの燻った黒煙。

後から聞いた話によれば、その時点でだいぶ鎮火はしていたということだけれど。

 

2014年。それが十三しょんべん横丁を燃やした火事だった。

身を寄せ合うように並んでいたあの雑多で年季の入った飲み屋たちが、ほんのわずかな間に燃えてしまったのだという。

 

 

しょんべん横丁も

松屋のビビン丼も

名案内コナンの看板も

そして十三ファンダンゴ

 

ロックンロールと同じように、ライクアローリングストーンなノリでもって、全てが変化していく。

 

だけど、火事から何年も経って、気づけばしょんべん横丁にもぽつぽつと新しい建物が建っているし、ビビン丼は定期的に復活メニューとしてまつりあげられている。(名案内コナンの看板はどうでもいい。)

 

十三ファンダンゴも、ハコがなくなってしまうわけではなくって、10月から堺に移転するらしい。よかった。終演ではなくて、新章なのだ。

 

私が言いたいのは、ひとつだけだ。

 

 

 

堺、遠いよ!!(涙)