ライブハウスとご飯(はじめに)
こんにちは、B子です。
すべてのバンドに、そのバンドだけが持つ佇まいがあるように、すべてのライブハウスにもそこでしか味わえない空気があるように感じます。
単なる広さや建物構造でなく、「雰囲気」としか呼びようのない何か。
たとえば、働く人の心意気だったり、壁に貼られた昔のポスターやラクガキ。
そのライブハウスが建っている街の歴史。そこに吹く風までも。
そして、バンドが生き物であるように、ライブハウスもまた生き物なので。
時にはその「雰囲気」が、おんなじ場所、おんなじ空間だとしても、オーナーさんが変わっただけでまったく違ってくることもあります。
におい、軋み、淀み、温度。
それらすべてが混然一体となって醸している何か。
ライブハウスのことを、こなれた音楽ファンの人がよく「ハコ」と呼んだりしますが、それは決してただの「入れ物」という意味ではないはずです。
「ハコ」に呑まれるバンド。
「ハコ」に入ってよりいっそう輝くバンド。
バンドとハコの化学反応。
たいそうなほどに音楽的な違いの分かる女じゃあありませんが、「奇跡っぽいもの」をそこにいる誰もが感じているんじゃないかっていう夜もあります。
それこそがまた、ひとりライブハウスの楽しみだったりもするのです。
また、ひとりライブは、家に帰るまでがライブです。
ライブハウスで飲んだアルコールが汗で流れ、夜風に晒されて醒めるころ、今宵再びのビールをあける「ライブハウス近くのお店」も、とっても大切。
いつの間にか定番コースとなった「あの店」で今日もひとり、先ほどまでの余韻に浸る至福の瞬間よ。
(まあ、おしゃれなBARではなくて、お腹空いてるので、だいたいラーメン屋とか定食屋なんですけど。)
心より耳より脳より胃袋で記憶する私は、今はなきライブハウスを思い出すたび、ライブ帰りに通った「あの店」の味が、舌の上をちくちくと這いまわって、おかわりをおねだりしたりするのです。
(それがチェーン牛丼屋の場合もあれど)
大好きな関西のライブハウスと、ひとりライブハウスのおともであるご飯スポットを、ぽろぽろと綴っていければと思います。